
(2009/12/01 ジョイナス屋上にて)
この二週間ほど、かなりの時間を
周囲の拘束のもと過ごしていた。
ふと気づけば秋の気配はなく、
冷たくなり始めた空気に
ジャケットの襟を立てながら歩いていた。
そして亡き恩師のことを思い出した。
ダンボールに囲まれ、寝袋の中凍える人の姿を
毎日のように目の当たりにしたかと思えば、
ようやく歩き始めたばかりの幼子の姿を視界の隅にとらえたり、
現実と夢の狭間に揺れ動く大人達と言葉を交わしたりもした。
日々、何かしらの影響を受け、
この心は壊れたメトロノームのように
大きく揺れたり、時に立ち止まったりする。
並みの文庫ならば二日で読み上げてしまう自分が
たった一冊の本を一週間かけてじっくりと消化し、
腹の奥底まで残るような余韻に打たれ、
涙したりもした。
我に返る。
今日も多くのことを考え、
悩み、また多くのことに対し
感謝をし、命をつないでいる。
この命は生きるために与えられた。
生き、その生を全うするために与えられた。
同じ場所、同じ木の枝の先々に
その生命力をみなぎらせ青々としていた楓も
今は訪れし冬に備え、体をこわばらせ始めている。
寒さに負けぬよう、数ヵ月後に訪れる春に
またその命の証を広げんと、懸命に息をしている。
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