過ぎていく時間が
こんなにもゆっくりと感じられたのは
いつが最後だったろう。
この体が、この頭が
過ぎ去っていく一秒一秒を
しっかりと記憶に刻んでいくような感覚。
こんなにも
自分の生命を鼓動をしっかりと
強く、頼もしく感じられる今を
この瞬間を
僕は忘れない。
決して忘れやしない。
NW0026便にて
(2009.08.26.)
----------
昨日、窓から見下ろした景色は
きっと今日も変わらずにある。
そこを歩く人の波も、車の列も
同じようにあるんだろう。
その街にいた僕のことを知っていた人間は
本当に一握り。
今日から僕がその街にいないことなど
知る由もない。
同じ空の下、同じ時間に
別の場所で息をする人間の数を考えると
眩暈を感じた気になる。
同じ時間、同じ地球の上で
別の場所で息をしているにもかかわらず、
視線を合わせることすらない人間の数を考えると
なんだか寂しく、空虚な思いになる。
たとえば、今日。
誰かが路上で寝転んだまま息を絶えても、
誰も気に止めやしないんだ。
そこに住んでいる人間すら、
翌日には「恐ろしいね」という言葉を発して
その事実を片付けてしまうのかもしれない。
極端かもしれないが、そんな世界だ。
そんな時代なんだ。
そんなに僕らの命は空虚なものなのか?
そうは思わない。
生きている意味を、
生きた意味を残し続けたい。
----------